Windows10で楽しむWindows 98/XP/7ゲーム

先日Top Gun: Maverickを観て来たんですが、ラストのF-14と第5世代戦闘機との息をのむドックファイトシーンに感激して、久しぶりにちょっと古めの空戦ゲームを引っぱり出しました。Windows10でプレイするつもりです。

現在、空戦ゲームといえばAce Combat 7とDCSの2タイトルをのぞけばWindows10用の本格的な空戦ゲームはほとんどないといっても過言ではありませんが、古くはDOS時代から最近ではWindowsXP以降対応のゲームまで過去には名作といわれる幾多の空戦ゲームが存在しました。

それらの一部は現在でも「Steam」などで入手が可能でちょっとしたテクニックでWindows10上でも動作します。

という訳で今回は古くはDOS時代からちょっと昔ののWindowsXP対応のレトロゲームについてWindows10パソコンにインストールして動かす方法を実践していこうと思います。

レトロゲームの種類

ところでオールドゲームは次の3つグループに分けられます。

DOS時代のゲーム

Windows95/98/XP時代のゲーム

WindowsVista以降のゲーム

それぞれについてインストール・動作ともにいくつか問題があります。これらは空戦ゲーム以外のレトロゲームにも共通する問題でもあります。

動作上の5つの問題点

以下5つが古いゲームをWindows10で動かす時に発生する問題です。

16bitコードの問題・MS-DOS用ゲーム

16bitコードの実行ファイルは64bit版のWindows10では実行できません。Windows95向けの一部のソフトはインストーラーが16bitで書かれているという中途半端な仕様のためWindows10上ではインストールそのものができないという事態が発生します。

MS-DOSのゲームもこれに該当します。Windows95/98/XPの頃はDOSプロンプトで何とか動かせましたがリアルモードのDOSは98以降サポートされなくなりましたので今ではDOSBOX頼みです。

DirectXの互換性・Windows95/98時代のゲーム

現在Windows10はDirectX12ですがWindows95ではDirectX8、Windows98/XPではDirectX9、WindowsVista/7ではDirectX11が使われていました。「古いゲームをインストールしたが起動はするもののすぐにクラッシュしてしまう。」こんな時はDirectXの互換性が原因になっている可能性があります。

3dfx Voodoo対応ゲーム・Windows95/98とMS-DOSのゲーム

DOS対応のゲームの一部とWindows95/98時代のゲームの一部がこれに当たります。

Voodooカードとはまだビデオカードの3D描画性能が低かった頃に3dfxという会社が発売した画期的な3Dアクセラレータカードです。3dfx独自のグラフィックAPIであるGlideによってコンシューマーゲーム機並みの高速で高精細な3D描画を実現しました。

3dfx対応タイトルとして有名なのは初代Tomb Raider です。MS₋DOS上で動くTPSですが、Voodooカードを使うことで画期的に画質が良くなります。その他1996年~1999年にかけて主にMS-DOS、Windows95上で動くタイトルが数多くリリースされました。XPまでは有志の方によるアンオフィシャルのドライバが造られていました。

Voodoo、Voodoo2は専用ケーブルで2D用のグラフィックボードとつないでグラフィックボードの出力に肩代わりして3Dの信号を出力していました。その後2D/3D機能が一緒になったVoodoo Rush、Voodoo Banshee、Voodoo3、4,5が発売されましたが、他のグラボメーカーの3D 性能の向上に伴ってその姿を消しました。

Windowsのバージョン・WindowsXP以降のゲーム

WindowsXP版以降のゲームソフトにおけるWindowsバージョンの互換性の問題です。実行ファイルの互換性で対処しますが、内部でどういう変更を加えているのかが謎です。

SecuROM対応の問題・Windows7/8時代のゲーム

これはコピープロテクトとしてゲームの起動時にゲームのCD-ROMをチェックする機能で、Windows95時代から存在した機能です。システム自体にセキュリティーホールがあるためWindows10からは機能が外されてしまいました。

対策

以下簡単に対策をまとめました。

DOSゲーム

MS-DOSのゲームならDOSBOXというソフトが使えます。これはWindows10上で仮想DOSマシーンを走らせるソフトです。オンラインゲームストアの「Steam」でもTombRaider I、DarkforceなどDOSのゲームを販売するときに使っているものです。

正しく設定してやればDOSソフトの100%近くが動くかと思います。ただし英語DOS環境用なのでDOS/V用ソフトはそのままでは動きません。

Windows10で楽しむWindows 98/XP/7ゲームー目次(3)DOSBox入門編を参照してください。

DirectXの互換性

まずは最新のパッチをあてます。Patch Scrollsで探して見ましょう。
あるいはdgVoodooのDirectXラッパー機能を使います。Windows98/XP対応ゲームを起動してもひどく動きが重いとか、落ちてしまう時の症状の改善に役立ちます。

Windows10で楽しむ98/XP/7ゲーム(2) dgVoodoo編その2を参照してください。

3dfx対応

Voodoo対応ゲームはVoodooラッパーと呼ばれるものを使うことで動作させることができる場合があります。物理的なVoodooカードがなくてもVoodooの描画 API(Glide)の出力をOpenglやDirect3Dに置き換えて出力できるソフトがあります。nGlide、dgVoodooなどが有名です。

nGlideはVoodooの出力をopenglに変換して出力する他、さらに解像度も指定して出力ができます。インストールしておけば自動的にVoodooの描画API(Glide)対応ゲームの出力をすべてOpenglかDirect3Dに変換して出力してくれます。DOSBOXとの併用ができます。

dgVoodooは設定はちょっと面倒ですが、ゲームごとに違った設定でソフトを動かすことができます。GlideとDirectX両方のラッパー機能があります。

Windows10で楽しむ98/XP/7ゲーム(1)dgVoodoo編を参照してください。

Windowsの互換性

WindowsXP以降のゲームなら実行ファイルを探し出してプロパティで互換性を設定してやるのが定石です。これと、「管理者として実行」を選ぶことで大体は動くはずですが、ダメな場合はDirectXの互換性対策を行ってください。

Nvidiaのグラボを使っている場合でインストールがうまく行かない場合はSetup.exeを 「NVIDIA Container」がブロックしている場合もあります。詳しい機能は不明ですがNVIDIAのグラフィックボードがある環境では、NVIDIA Containerというプロセスがインストーラーの起動を妨げることがあるようで、タスクマネージャで多数起動している「NVIDIA Container」を終了させ続けるとインストーラが動く場合があります。

SecuROM対応と起動時にCDを要求するゲーム

SecuROMでプロテクトされていなければWindows10でもオリジナルCDがあれば起動できます。

SecuROMの場合は公式パッチがあればそれを当てるしかありません。Patch Scrollsというパッチ専門サイトがありますので探してみましょう。最新バージョンではCDのチェックが無くなっているゲームもあります。

Windows10でSecuROMを有効にする方法もあるようですがでセキュリティリスクが高いのでおすすめはできません。

メジャーなゲームであれば有志の方々が作ったパッチが(リンクは貼れませんが)ネットにあがっていることもあります。Need for speed 5、F-22ADF/TAWなどの様にCDがなくても起動するようになった修正版がある場合もあるようですが…著作権などがグレーゾーンなのでリンクは張りません。リスクを理解したうえで使うのは自己責任でおねがいします。

安全で確実なのは「Steam」で購入しなおすことです。最近ではWindowsXP/7対応のゲームは安価に買える(セールで数百円)ことが多いです。SecuROMではなくても、起動時にCD-ROMを要求するゲームも多くあります。そのたびにCDを入れるのも手間がかかりますのでCDがいらないSTEAM版は良い選択だと思います。

まとめ

以上、Windows10にレトロゲームをインストール・動作させる際の対処方法について簡単にまとめてみました。今でも海外を中心にレトロゲームを楽しむ人がいるようで、いろいろなツールが開発されていますし、Steamのコミュニティには動作させるための情報も転がっていますが、長くなりましたので各ツールの詳しい使い方については次回以降に説明していきたいと思います。