引き続きレトロゲームをWindows10で動かす方法について個々に解説していきたいと思います。
今回はThird Wire社のコンバットフライトシミュレーターである「Wings Over Europe」を例に上げて説明していきたいと思ます。
「Wings Over Europe」は2006年発売とレトロゲームとしては比較的新しいタイトルですがWindowsXP/2000対応でそのままの状態で起動するとWindows10ではフレームレートがガタ落ちでプレイできません。そのせいかSteamでも格安で販売されています。
なぜかというとDirectXのバージョンが古いせいです。XPの頃はまだDirectXはバージョン8でマイクロソフトはWindows10で古いバージョンのDirectXをサポートを切り捨ててしまっています。そこでdgVoodooを使ってちょっと手を加えることでWindows10でプレイできるようにしてみます。
Wings Over Europeのインストール
SteamからWings Over Europeをインストールします。インストール先はSteamフォルダ以下の
steam\steameapps\common\wings over europe
の下に入っていると思います。
インストールしたら一度起動してみましょう。おそらく起動しても非常に動作が重くてフレームレートが20fpsを切ると思います。
dgVoodooのインストール
①dgVoodooの入手。
Dege’s stuffsで配布されているものをダウンロードします。今回はdgVoodoo本体のみで構いません。
②dgVoodooをインストールします。
dgVoodooを解凍します。「3dfx」、「ms」、「doc」、「cpl」の4つのフォルダと「dgVoodoocpl.exe」と「dgVoodoo.conf」、「QuicGuide」が解凍されますが使うのはdgVoodoo本体とその設定ファイル。それからMSフォルダの中のDirectx関連のdllファイル4つのみです。
③msフォルダの中の「D3D8.dll」,「D3D9.dll」,「D3DImm.dll」,「DDraw.dll」の4つのファイルをWings Over Europeの実行ファイルのある
steam\steameapps\common\wings over europe
フォルダにコピーします。これだけです。
dgVoodooの設定
①dgVoodoocpl.exeを管理者モードで起動します。起動したら「Genaral」タブを開いてAppearanceを「Full Screen」、Scaling modeを「Streched,keep Aspect Rasio」に設定。Miscellanneusの「Center app window」にチェックを入れ、「Caputure Mouse」のチェックを外します。

②DirectXタブを開いて図のように設定します。これで設定は終了です。「Apply」をクリックして確定し「OK」をクリックして閉じます。(追記:図ではチェックが外れていますが「Disable Alt-Enter to toggle screen state」にはチェックを入れておきます。)

これでdgVoodooのDirectXラッパー機能が働くようになります。dgVoodooが働いているかどうかは、画面の右下に表示されるdgVoodooのロゴのウォーターマークで分かります。
③互換性のプロパティは「Windows7」、「管理者としてこのプログラムを実行する」に設定してください。

Wings Over Europeの起動
Wings Over Europeを起動してみましょう。今度は正常に起動したと思います。
最後にpatch scrollsでダウンロードできるOct 2008 Updateパッチをインストールしましょう。


終わりに
dgVoodooのDirectXラッパー機能の使い方について解説しました。ラッパーというのはサランラップという商品がありますが、要は「包み込むもの」といった意味です、古いDirectXを「包み込んで」新しいDirectXの出力に置き換える働きをします。
古いゲームが起動しても「安定しない」、「動作が遅い」、「クラッシュする」といったときにはDirectXの互換性が原因かもしれません。dgVoodooを使うことで案外簡単に解決するかもしれません。